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着飾る役者(江戸風俗)

 鳥居清信(二世?)筆 「陰間男色図」 11006
e0259194_17222138.jpg江戸時代には娯楽の代表が芝居でしたので、役者は大変な人気者だったそうです。
ただ、全ての役者という訳ではないので、生計を立てるために副業をする者も多かったようです。
若い男優の多くは今で言うホストのアルバイトをしていたらしいのですが、お客は封建社会制度の厳しい規制や戒律のために金は有っても自由が無く、鬱屈した生活を余儀なくされていた坊さんが多かったそうです。
ただし、そちらで人気が有ったのは十代の若者までで、二十歳を過ぎると、急に人気が下がったそうです。

e0259194_17473792.jpg
この画がどの様な状況でどの様な人物を描いたものなのか、資料不足で厳密に検証する事は出来ませんが、名のある絵師に注文して描かせた一枚物の肉筆画らしく、とても高価だった岩彩が多用されています。



e0259194_03013605.jpg
落款(署名は無ありません)の印章は、「清信」と読めます。
初期の鳥居派の絵師達に関しては、その素性の情報が乏しく、諸説の交錯もあるので、清信(初代・二世に限らず)に関しても謎だらけです。

初代鳥居清信を開祖とする鳥居派は、初代清信の父親(鳥居派元祖の清元:大阪では女形役者、後1687年江戸に移る)の代から芝居の業界との繋がりが特に強く、役者絵や看板画の分野では現在に至るまでの約300年間、他派の参入を許さなかったと云われる名門の絵師集団でしたので、一派に不都合となり得た情報が、ことごとく伏せられてしまっていたとも考えられます。



この画が二世鳥居清信(1702~1752)の作だとすると、当然同じ派の後輩等にも技法や構成の踏襲・継承があったと想像されます。
例えば、二世鳥居清信の死後に、八頭身を超える長身の美人画で名を馳せた鳥居派四代目の鳥居清長(1752~1815)の美形人物画の作風にもよく似ています。
この画は男性を描いたものですが、女性的雰囲気ですので、後の鳥居清長の超長身の美人画スタイルに、影響を及ぼした可能性が十分に考えられます。








【参考1】
(二代)鳥居清信 画(版画)瀬川菊治郎 (女形)
1744年(二代清信42歳の時)
(東京国立博物館蔵より部分)
e0259194_15352368.jpg顔の雰囲気は、上の画とも似て・・


















【参考2】
(初代)鳥居清信 画(版画)滝井半之助
(別冊太陽「浮世絵師列伝」より シカゴ美術館蔵)
e0259194_12343018.jpg姿勢や眼球の位置まで似て・・






















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by Ru_p | 2012-03-18 17:30 | アート・コレクション | Comments(0)


妄想猫の起末具連記


by Ru_p

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