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月にひとり (芦雪)

 長沢芦雪筆 月下に烏図 17002紙本 305*108 
e0259194_14480991.jpg



円い月の手前に老木とカラスのシルエットが、墨の濃淡だけで簡潔に(迷い無く)描かれています。

カラスまでの距離は約40メートル?(標準的なカラスの体長と月の直径角との関係からの逆算にて想定)。この位の距離だと恐らく、月からの逆光のために細部まではよく見えなかった事でしょう。
(月夜って、月面が4パーセント位の反射率で太陽光を反射するらしく、けっこう明るい)

細かく再現する必要も無い叙情的な景色、観る者の想像力で様々な世界に見える画だと思います。


以前も投稿で触れましたが、カラスは生涯完全な一夫一婦、なのだそうです。
独り、手の届かない月を観入るこのカラスの後ろ姿から、失ったもう一羽の事を淋しく想い浮かべて沈んでいる、と芦雪には見えたのかも知れません。

動物や子供が大好きだった長沢芦雪は、一男二女の子供たちを四十近くなってから授かっていたのに、立て続けに病で失ってしまいました。(この頃は満五歳まで育たない子供が大半だった様です;徳川将軍家などの系図記録をも参考とした場合)


芦雪にとって、このカラスの姿が 彼自身と重なって見えたのかも知れない。
と思えて来ませんか?


(あくまでも自遊な想像で・・・ )












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by Ru_p | 2017-04-16 19:38 | アート・コレクション | Comments(0)

月とすすき(蓮月・春月)

10031
e0259194_1114187.jpg


この画には「春月女」の署名と「春月」の印章が落款としてあるのですが、画賛に自作の和歌を書いた「太田垣蓮月」とはどの様な付き合いのあった人物なのか未確認(春月宛の消息文が現存するらしいのですが)です。ただ、秋の月の夜の風情をよく楽しみながら描いたように見えます。
画賛の方は蓮月尼さんが残した和歌で現存が知られる数百首の内でも代表的な作品で、まさにこの画の状景そのままの歌なので、互いに画と賛を意識した合作なのだと思われます。

むさしのの 尾花か末に かゝれるは たかひきすてし 弓はりの月
蓮月 八十才

(武蔵野の 尾花が末に 懸かれるは 誰が引き捨てし 弓張の月)


蓮月さんが80才の時ですので1870年の秋頃に描かれたということになります。
流麗な文字は、かなり長めの筆を鉛直に立てて、上端を持って書いたものらしいのですが、私にはとても真似できません。
かなり評判の美女だったと言われるだけあって文字も美人。また、絶世の美貌故に男に言い寄られることを嫌って、自らの前歯を折ったと言うほどの芯の強さも感じられ、惹かれるのでしょうか・・・


※「太田垣(大田垣)蓮月」は有名な富岡鉄斎の「育ての母」です。
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by Ru_p | 2012-10-04 10:43 | アート・コレクション | Comments(0)


妄想猫の起末具連記


by Ru_p

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