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猫じゃれ美人 (暁斎?)

   08054 33.2x64
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「女三の宮と猫」 と共通する構図ですが、更に一工夫加わっている様にも見えます。

赤い布にじゃれた猫に驚く女性が、少し滑稽に描かれています。

肉筆浮世絵ですが、江戸でなく明治始め頃の作品で、目と手の作る表情には『写楽』の「大谷鬼次の江戸兵衛」とも似た面白さが感じられます。筆がたっていて描線がよく活きています。
どことなく顔に見覚えがある(気がする)べっぴんさんの女性で、色気が感じられます。


不明瞭な印影?があったので、画像処理してみますと、なんと「暁斎」に見えました。
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「最後の浮世絵師」と称された河鍋暁斎の既知の印影と酷似しているのですが、署名は無く、肉眼での判読は難しい状態です。(また、当時の弟子たちが内緒で押した可能性もあるので、厳密な真偽は・・・・?)

無落款だと思って眺めても、けっこう楽しめます。




【参考】
暁斎さんの画集の中に、弟子で次男の河鍋暁雲さんの描いた似た構図の画を見つけましたが、描線も顔もだいぶで違っています。
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by Ru_p | 2013-04-28 17:38 | アート・コレクション | Comments(0)

蘆雪らしさ(雲龍)

13004  45.8x122.6
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大胆な構図・おちゃめな表情・勢いのある描線。


潔く一気に描き上げることで、一瞬のドラマを連想させる効果を出しています。
墨色の違いや滲みの景色をさりげなく活かし、画面からはみ出す主役の要所だけを描くことで、全体の広がりを想像させ、存在感や見応えを演出しています。

蘆雪らしさ(晩年の)がよく出た画ですが、制作時間は僅か(数十分足らず?)だったのではないかと思われます。


江戸時代では45歳を夭逝と言ったかどうか判りませんが、もっと長生きしていたなら・・・・
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by Ru_p | 2013-04-28 13:16 | アート・コレクション | Comments(0)

酒豪たちの詩(芦雪)

①飲中八仙図   12010   58.0x110.0
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『 飲中八仙 』は、中国唐時代に杜甫(とほ)が七言古詩「飲中八仙歌」に詠んだ8人の酒豪たち;賀知章(がちしょう)・汝陽王李(りしん)・李適之(りてきし)・崔宗之(さいそうし)・蘇晋(そしん)・李白(りはく)・張旭(ちょうきょく)・焦遂(しょうすい)のことです(仮名は日本語読みの場合です)。

中国では、日本の七福神の様に、古くから親しまれた存在で、豪快さの表現は当然誇張されているのでしょうが、歌と共に長く親しまれて来たそうです。
芦雪も自らが酒好きであったこともあり、これに関連した画題を好んで(憧れて?)描いていた様です。
そこに出てくる、李白(や布袋など)は単独の画も多く残されているので、特にお気に入りだったようです。

長沢芦雪が描いた「飲中八仙図」では、②バーク・コレクションの作品と ③MIHOミュージアム等の展示会にも出品された画とは互いに構図が酷似していて、既に世間には周知されています。この画①はそれ等とは多少別の構成ですが、仙人毎の構図や筆致には共通した面が多くあります。②③に有った犬の姿は省かれていますが、代わりに?後ろ姿の馬や少し多めの子供たちが加えられ、平和で楽しそうな(芦雪好みの)パーティーの雰囲気が良く出ています。

ところで、大きな違い・・・じつは、この画で芦雪自身が描いたのは、下から四分の三位までで、それより上の部分は、画賛によると「淇淵」(不詳:柳沢淇園のことか?)が山水の遠景を、(戯れで?)描き加えた様です。
明らかにその辺りから筆致が替わって見えますので、その気になれば、腕の良い表具師さんが、二枚別々の画として仕立て直すことすら可能と思われるくらい境目は明瞭です。
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「戯れで」と思わせる理由の一つには、芦雪の落款が「隠し落款」になっていて、よく見ると、画の中の更に別(布袋様)の画の落款部分が「蘆雪」となっていて、『長澤』『魚』の朱文印風の手描き印象があることです。
この様な「隠し落款」の使い方は、この時代に必ずしも例が無い訳ではないのですが、いかにも芦雪が好みそうな『奇想』(サービス精神?)を感じます。おそらくは、仲の良い友人同士で酒を飲み、この話題で盛り上がり、勢いで描かれてしまったからなのではないかと想像します(「応需」でなく?)。それ故なのか手慣れた気儘な表現に見えるので、②③よりも、後で描かれた物かも知れません。
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【参考】
②左: ニューヨーク・バーク・コレクション展よりの「飲中八仙図」
③右: ミホ・ミュージアム 「長澤芦雪 奇は新なり」よりの「飲中八仙図」

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②③の画では、8人目の焦遂?と思われる仙人を囲む集団が、左上遙か後方の丘に陣取って見えますが、①の画では、手前の集団と合流して描かれています。


[飲中八仙歌]
知章騎馬似乗船
眼花落井水底眠
汝陽三斗始朝天
道逢曲車口流涎
恨不移封向酒泉
左相日興費万銭
飲如長鯨吸百川
銜杯楽聖称避賢
宗之瀟洒美少年
挙觴白眼望青天
皎如玉樹臨風前
蘇晋長斎繍仏前
醉中往往愛逃禪
李白一斗詩百篇
長安市上酒家眠
天子呼来不上船
自称臣是酒中仙
張旭三杯草聖伝
脱帽露頂王公前
揮毫落紙如云煙
焦遂五斗方卓然
高談雄弁驚四筵

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by Ru_p | 2013-04-26 12:48 | アート・コレクション | Comments(0)

「かわいい江戸絵画」前期

を府中市美術館で見て来ました。

真に「かわいい」を感じたのは、芦雪・仙厓等の数点だけで
したが、企画としては今回もかなり面白いと思いました。


ただ、展示内容で、一つ気になった事がありました。
「作品番号84」 蕪村が自画賛で俳句を書いた画です。
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「短夜 浪うち際 捨かがり」と言う有名な句としてキャプチャー
にも画集にも書かれ、音声ガイドでもそう読み上げられていました。

ところが、現物を良く見ると、
「みしか夜 浪打きは すて篝」 (短夜の 浪打際や 捨篝)
画賛の「」と「」が入れ替わってます。

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この程度の調整や書き違い?は、他の多くの歌人・絵師でも
頻繁に目にすることだと思います(場合によっては、作者が意
図的に『別バージョン』として書いた物なのかも知れません)。

ただ、解説がその事実を曲げる様な扱いをしている事が少々気
になりました。(変体仮名が一般的ではないにしても、担当者は
当然気づいていたでしょうし、新発見かも知れないのに・・・残念)













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by Ru_p | 2013-04-04 20:01 | その他 | Comments(0)

芦雪も見た ???

わがやの にゃんこ がよくするポーズ
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どこかで見覚えが・・・・・・



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※芦雪の有名な無量寺本堂襖絵の虎は、前足の爪の描写に多少の違和感が感じられますので、片足ではなく「両足を揃えている」と言う説(解釈)があるそうです。
ところが、猫をモデルに観察すると、両足を揃えるのは、獲物に跳びかかる直前で、体(腰)をもっと低く構える様です。
ですからあの虎は、左前足だけを出した時の、獲物に少しずつ近づく猫のポーズ(上のにゃんこと同じ)なのだと思われるのです。

ちなみに、その虎図襖の裏面(二ノ間)には、魚(川の鮎?)を狙って忍び寄る猫の画が描かれています。そこの魚の目から見れば「猫が虎の様に見えた」と言う解釈があるのですが、まさに、上の写真の様なポーズを見たからではないかと・・・?

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by Ru_p | 2013-04-04 17:17 | にゃんこ | Comments(0)


妄想猫の起末具連記


by Ru_p

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