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江戸でもダンス(の2)

①舞美人図(部分) 岩佐勝重筆 絹本肉筆  39×31.6 17015
江戸でもダンス(の2)_e0259194_23180535.jpg
女性が鼓と踊りで、若い男性をもてなしている、江戸初期の花街の情景なのでしょう。
あどけなさの残る、若い男性の視線は、片袖を脱ぎつつ踊る、お気に入りの女性に釘付け・・


画の作者は、落款印「勝重」から、岩佐又兵衛(1578-1650)の嫡子の岩佐勝重(1613-1673)かと思われます。

この親子は、筆致が非常に似ている事や、無落款の作品が多い事など、謎が多かったので(時代が古く、資料が少ない:同じ工房で活動していたり、「御用絵師」と言う立場もあり)、同一人物の作と見る説もあったそうです。
(物理的な年代測定は可能でも、厳密な意味での作者の特定は今では無理な事です)


画は描線も衣装の柄も、活き活きとして繊細、その場の会話までが聞こえて来そうです。

岩佐勝重の生きた時代の作品ですと場所は、2代目吉野太夫をも輩した京都六条三筋町辺りの遊郭でしょうか、人々が大らかだった頃の風情が感じられます。






②盆踊りの図(部分)俳画 与謝蕪村筆 紙本淡彩色 26×71  17003
江戸でもダンス(の2)_e0259194_23241161.jpg
画賛には、蕪村の「四五人に 月落ちかかる おどりかな」の句。
(自画賛の俳画ですので、俳句と画は、リンクしているはず)

蕪村は、これと同じテーマの俳画作品を、他にも複数(仮名遣いや構図はそれぞれ異なる)残していますが、何れも気負いのない文字や画で、自然体の人柄が感じられます。(どれも画が、かわいい)




真夏の盆踊り。(旧暦7月16日;京都の夜?)
何かに憑かれたかの様に踊り続け、最後に残った四~五人。
始めは上にあった月も、低く落て来て、明け方も近そう。
そんな情景が思い浮かびます。

この時代には、BGM(笛太鼓の演奏)も、夜通し付き合ってくれていたのでしょうか。







昔も今も、踊り( ≒ ダンス )には、踊る側はもちろん、見る側をも引き込む魅力(魔力?)がある様です。









by Ru_p | 2017-09-26 00:06 | アート・コレクション | Comments(2)
Commented by 無料ゲーム at 2019-10-17 12:02 x
綺麗な浮世絵だね!
初めは本当の猫だと思いましたw
Commented by Ru_p at 2019-10-17 12:36
ありがとうございます。
「きれい」とか、楽しいと感じて頂けるのは、嬉しい事です。


妄想猫の気まぐれ記(ジユウビョウドウ)


by Ru_p

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