良寛の書 「・・兔角・・」
16015 48×131
口 足 身 手
吟 着 着 把
無 亀 空 兔
聲 毛 華 角
詩 履 衣 杖
良
寛
手に兔角の杖を把り
身に空華の衣を着け
足に亀毛の履を着け
口に無声の詩を吟ず
( 口に無声の詩を吟ずることは、普通はあり得ない行動ですが、そこにこの詩の意・・・? )
良寛さんの自作の詩なのですが、漢詩として見れば、前3行の文字には下の「寒山」(中国唐時代の伝説の奇人僧)が作ったとされる漢詩からの部分的な引用があります(仏教用語の文字や韻律で)。
身着空花衣
足躡亀毛履
手把兔角弓
擬射無明鬼
ここで共通する「兔角」「空華(花)」「亀毛」の3つの言葉は、何れもこの世に存在し得ない架空の物を指す象徴的な仏教用語なのだそうです。
日本の仏教は、「仏の教え」として伝わって来た経文を正確に写し(コピー)伝える文化が当たり前だったのですが、良寛さんは この詩を自身の独自の世界に取り込んで、『書』の面白さとして楽しんでいた様です。
ここでも、仮名文字風で日本的・・・ 抽象絵画風で好きな『書』です。
沢山の詩や歌を作ったとされる良寛さんなのですが、その『書』も度々(複数回)揮毫される事があった様で、今日でも多くの作品が残されています。
ところが良寛さんは、それらを手元に控えて残しておく事が出来ていなかったらしく、書の揮毫の度に部分的に文字の変更が見られる事があります。(他の歌人でも、同様のことはあります)
良寛さんが作った詩に関しては、多くの研究が行われて来たのですが、書かれたその文字は、特に癖(簡略化などのアレンジ)が強く読みとり辛いこともあるので、それらの別バージョンの内容は、今まであまり多くは取り上げられることがなかったようです。
良寛さんは同じ詩を書いていたつもりだったのかも知れませんが、控えも持たずに何十年も前の詩を思い出すとなれば、細部の変更が生じたとしても不思議な事ではありません。恐らくご本人は、詩の論理的に微妙な構成要素よりも、『書』としての出来映えの方が関心が強かったのではなかったのか(?)と思われます。
口 足 身 手
吟 着 着 把
無 亀 空 兔
聲 毛 華 角
詩 履 衣 杖
良
寛
手に兔角の杖を把り
身に空華の衣を着け
足に亀毛の履を着け
口に無声の詩を吟ず
( 口に無声の詩を吟ずることは、普通はあり得ない行動ですが、そこにこの詩の意・・・? )
良寛さんの自作の詩なのですが、漢詩として見れば、前3行の文字には下の「寒山」(中国唐時代の伝説の奇人僧)が作ったとされる漢詩からの部分的な引用があります(仏教用語の文字や韻律で)。
身着空花衣
足躡亀毛履
手把兔角弓
擬射無明鬼
ここで共通する「兔角」「空華(花)」「亀毛」の3つの言葉は、何れもこの世に存在し得ない架空の物を指す象徴的な仏教用語なのだそうです。
日本の仏教は、「仏の教え」として伝わって来た経文を正確に写し(コピー)伝える文化が当たり前だったのですが、良寛さんは この詩を自身の独自の世界に取り込んで、『書』の面白さとして楽しんでいた様です。
ここでも、仮名文字風で日本的・・・ 抽象絵画風で好きな『書』です。
沢山の詩や歌を作ったとされる良寛さんなのですが、その『書』も度々(複数回)揮毫される事があった様で、今日でも多くの作品が残されています。
ところが良寛さんは、それらを手元に控えて残しておく事が出来ていなかったらしく、書の揮毫の度に部分的に文字の変更が見られる事があります。(他の歌人でも、同様のことはあります)
良寛さんが作った詩に関しては、多くの研究が行われて来たのですが、書かれたその文字は、特に癖(簡略化などのアレンジ)が強く読みとり辛いこともあるので、それらの別バージョンの内容は、今まであまり多くは取り上げられることがなかったようです。
良寛さんは同じ詩を書いていたつもりだったのかも知れませんが、控えも持たずに何十年も前の詩を思い出すとなれば、細部の変更が生じたとしても不思議な事ではありません。恐らくご本人は、詩の論理的に微妙な構成要素よりも、『書』としての出来映えの方が関心が強かったのではなかったのか(?)と思われます。
by Ru_p
| 2016-05-22 19:26
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by Ru_p
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