良寛の書 「・・兄弟・・」
16013 48×131 沙 到 又 生 我 一 一 〳 余
門 處 見 涯 見 人 人 〵 郷
良 亡 其 如 其 愚 辨 心 有
寛 命 聰 有 愚 且 而 各 兄
書 趨 者 餘 者 訥 聰 殊 弟
「ここに人柄の良い兄弟がいて、愚かで口下手な方(の良寛さん)は、気持ちに余裕を持って暮らし、利口で能弁な方(弟の由之)は、常に忙しく走り回っている」
という様な意味なのでしょう。
( 小利口で口が達っても、必ずしも人生が豊ではないと・・・ )
※「訥」 トツ;「口ごもって、つっかえながら言う」の意味。
良寛さんが、弟に家督を譲って退いた後の実家の没落ぶりを知り「自分と弟との性格を比較し、人生の不可解さを感じながらも、本当に豊かな生き方はどちらだったのかを問うかの様な詩です。
(現代の様な学歴偏重の時代でも、しばしば似た様な話を耳にしますよね)
4歳下だった弟の山本由之は、文化7年(1810年:由之48歳の頃)には名主職を失い、家財没収・所払いの処分を受け、謹慎せざるを得ない状況に追い込まれていたそうです。
ここの詩はその頃に良寛さんが作ったらしいのですが、この『書』は、後年に思い出して書き直した物ではないかと思われます(微妙に文字の異なる別バージョンが何点かあるようです)。五言詩の形なのですが、まるで仮名文字を見る様なデフォルメには「日本的」な味わいを感じます。
極めて大胆で簡潔な(論理的でもあるべき)文字は、個性が強く読み難いのですが、全体を抽象絵画(か?)として眺めると、妙に調和とか躍動感があります。
良寛さんは、本来中国から伝わった漢詩であっても、その自由で大胆な感性でアレンジして遊び楽しんでしまっていた様です。
この『書』は、文節の切れ目、改行の位置など細かなバランスなどを超越して、更に何かを語っています。
身近な肉親の消息は、誰でも当然 気に・・・
門 處 見 涯 見 人 人 〵 郷
良 亡 其 如 其 愚 辨 心 有
寛 命 聰 有 愚 且 而 各 兄
書 趨 者 餘 者 訥 聰 殊 弟
「ここに人柄の良い兄弟がいて、愚かで口下手な方(の良寛さん)は、気持ちに余裕を持って暮らし、利口で能弁な方(弟の由之)は、常に忙しく走り回っている」
という様な意味なのでしょう。
( 小利口で口が達っても、必ずしも人生が豊ではないと・・・ )
※「訥」 トツ;「口ごもって、つっかえながら言う」の意味。
良寛さんが、弟に家督を譲って退いた後の実家の没落ぶりを知り「自分と弟との性格を比較し、人生の不可解さを感じながらも、本当に豊かな生き方はどちらだったのかを問うかの様な詩です。
(現代の様な学歴偏重の時代でも、しばしば似た様な話を耳にしますよね)
4歳下だった弟の山本由之は、文化7年(1810年:由之48歳の頃)には名主職を失い、家財没収・所払いの処分を受け、謹慎せざるを得ない状況に追い込まれていたそうです。
ここの詩はその頃に良寛さんが作ったらしいのですが、この『書』は、後年に思い出して書き直した物ではないかと思われます(微妙に文字の異なる別バージョンが何点かあるようです)。五言詩の形なのですが、まるで仮名文字を見る様なデフォルメには「日本的」な味わいを感じます。
極めて大胆で簡潔な(論理的でもあるべき)文字は、個性が強く読み難いのですが、全体を抽象絵画(か?)として眺めると、妙に調和とか躍動感があります。
良寛さんは、本来中国から伝わった漢詩であっても、その自由で大胆な感性でアレンジして遊び楽しんでしまっていた様です。
この『書』は、文節の切れ目、改行の位置など細かなバランスなどを超越して、更に何かを語っています。
身近な肉親の消息は、誰でも当然 気に・・・
by Ru_p
| 2016-05-22 15:00
| アート・コレクション
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by Ru_p
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