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表装は楽し・・

以前から、やってみたいと思っていたので、少し練習しただけなのに、某表装展に
出品してしまいました。

(1)画セン紙に墨で描いた猫(寧々ちゃん)を、自由な解釈で楽しく軸装しました。

寧々眈々   (紙本墨画)
e0258646_1718644.jpg


やや太目の軸棒の先には肉球のマークを付け、金物と結び目は黒い羊毛の耳形で
隠し、モヘア製の鼠やシッポもアクセサリーとして添えてみました。
e0258646_17173721.jpg


普通掛け軸は、床の間で見上げて観賞する茶道文化の影響で、上の裂が明らかに
長いのですが、今回は、日常生活の椅子で見る時の目の高さを想定したので、本紙
の上下部分の裂の長さを、ほぼ等しくしました。
ヒモも、平ヒモでなく、裂と共色の丸ヒモとし、あえて目立たせました。
掛け軸の紐(緒;お)の背面での垂らし方は、画(本紙)の造形の陰陽を見て、左右を
決めていたと言う古来からの約束事もあるのだそうですが、今回は、尾(お)を出した
いと思われる方を、その日の気まぐれでも決められる仕様としました。
e0259194_22303895.jpg










(2)マクリで所有していた、作家さんの作品も、涼しそうな色調の描き表具(波紋の柄を描いた画セン紙と太明朝風柱部分の外側を、青っぽいストールを松烟墨で汚して作った裂)で表装しました。

夏楽図 ( のむら清六筆 「河伯泳法」 )
e0258646_17184927.jpg

夏なので、全体に寒色系の裂を使い、軸先には洒落でカッパ巻き(食品サンプル)を付け、やや太目の軸棒部分は、黒い海苔巻き風に見える様に、麻の裂を巻きました。
e0258646_1719956.jpg
周囲が傷んでいたマクリの本紙を、バランスを考えて方形にトリミング(24×72)すると、意外に小さく、余白も少なめだったので、もっと広い空間で泳がせてあげたら楽しそうだと考えて、こんな形になりました。
(こちらの表装は、美術雑誌「月間美術」から選定され、表彰して頂きました)






普通、プロの表具屋さんの場合には、お客さんから、好みやセンスを信頼されて品物
(本紙)を預かるのですから、奇抜さを主張する大胆な表装は難しいのです。
ところが、シロウトでも、自分の所有する本紙ならば、何をするのも自由なのです。
更に、正麩糊を使うので、例え失敗したとしても、濡らせば直ぐに剥がせて、幾度でも
やり直し可能で、安心なのです。

掛け軸は、①巻いて保管出来ること(裏打ちの糊が強くて固過ぎると、巻けずに折れますし、絵の具が厚過ぎると剥落し易いので不可)、②本紙を傷め難い素材を使うこと(酸性の糊や紙を使った場合、経年劣化で本紙が酸性化して脆くなり、粉々になることがあるので不可)、③湿らせても絵の具が滲まないこと(基本的に「日本画」は膠と岩絵の具の画なので、膠が弱いと滲んで将来の修復に絶えられないので不可)等の基本的なルールさえ守れば、比較的自由なアレンジが可能な日本の優れた伝統文化です。それと同時に、本紙の魅力を最大限に引き立てる使命も担っています。
コンパクトに巻いて仕舞える便利さは、海外からも注目を集めつつあるので、今一度その素晴らしさを見直すべき時期に来ているのではないかと思われます。

ただ、「日本画」だけを見ると、その技法(岩絵の具などを膠で解いて紙や絹などの基底材に塗る;膠画)は元々は中国から伝来したものでしたが、扱う画題や画風が長い間に日本風な様式に変わって来たためそう呼ばれているようで、定義の説得力には幾分弱さを感じます。

例えば「ラーメン」は中華風なので、日本で生まれたのに、日本料理とは呼ばれない事と、逆の意味で共通の違和感がありそう・・・。






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by Ru_p | 2014-08-20 22:54 | アート・コレクション | Comments(0)


妄想猫の起末具連記


by Ru_p

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