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地獄の閻魔??

閻魔天立像図 無款 36×85    06017
地獄の閻魔??_e0259194_10465925.jpg

今回の画像も、長い間香の煙に燻され続けていた様で、暗く不鮮明です。































そこで、下の様にパソコンの画像編集ソフトで画質調整してみました。
地獄の閻魔??_e0259194_16430302.jpg

とても古い物の様で、欠損や修復の跡が多数ある仏画です。

人の顔が付いた杖(人頭幢)を持ち、温和な表情で菩薩風の服を着た「閻魔」の正面立像です。

十二天図や曼荼羅の図像として、奈良時代頃にはこの様な姿が多く伝えられていた様です。


地獄の閻魔??_e0259194_18114298.jpg
錫杖・後背・台座には、一分ですが截金(きりかね:切金)も使われています。


額に如来の百毫の様な毛の束が見られる事など、地蔵菩薩にも通じる解釈で描かれた可能性もうかがえます。

(台座上部に、二回巻の雷文繋ぎ文[ラーメンの丼ぶりによく見られる柄]に似た模様が、敷物の一部を切り抜いたかの様な面に描かれていますが、この使われ方は珍しい)
地獄の閻魔??_e0259194_09045841.jpg




一般的に知られる憤怒の形相をした地獄の閻魔大王(鎌倉時代以降に普及する様になった十王信仰の)とは全く雰囲気が違いますが、ルーツは一緒なのだそうです。


【参考で、以下に、ウィキペディアからの抜粋を下に張ってみます】
閻魔(えんま)は仏教、ヒンドゥー教などでの地獄の主。冥界の王・総司として死者の生前の罪を裁く神である。
中略
後に閻魔の本地とされる地蔵菩薩は奈良時代には『地蔵十輪経』によって伝来していたが、現世利益優先の当時の世相のもとでは普及しなかった。平安時代になって末法思想が蔓延するにしたがい源信らによって平安初期には貴族、平安後期には一般民衆と広く布教されるようになり、鎌倉初期には預修十王生七経から更なる偽経の『地蔵菩薩発心因縁十王経』(略して『地蔵十王経』)が生み出された。
中略
中国風の官服を身につけ忿怒の形相の閻魔大王が、鎌倉時代以降に彫像・図像ともに数多く作られたのに比べ、焔摩天の作例はそう多くはなく、そのほとんどは、十二天図や曼荼羅の図像としてである。
後略



十二天図は灌頂(密教で緒仏や曼荼羅と縁を結び、戒律や資格を授けて正統な継承者を決める儀式)の為に十二尊が一組で扱われるのですが、これと組となりそうな天部の似た画像は残念ながら今のところ見つかりません。



【閻魔と地蔵が同体ならば】
「地獄に仏」と言う言葉は有りますが、生前の行いを裁く為に、杖の先の人頭には嘘を見抜く力があると言われているそうで、顔に似合わず怖ろしい性格。

嘘はいけませんが、既に身に覚えがあり、後ろめたさを感じる人には、さぞや恐ろしい存在だった事でしょう。



















by Ru_p | 2013-01-17 20:17 | アート・コレクション | Comments(0)


妄想猫の気まぐれ記(ジユウビョウドウ)


by Ru_p

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