謎の丑の刻参り
烏天狗が呪詛に向かう女性に襲い掛かる大胆な構図の肉筆画 08062 28.2×98
江戸後期頃の作かと思われます。
(落款の署名は應流、印章は朝親と読めますが不詳)
「丑の刻参り」といえば、憎しみ恨む相手に見立てた人形を真夜 他人に隠れて、神社の神木に鉄釘で打ち付ける呪いの儀式として有名です。(最近では小物類が「丑の刻参りセット」としてネットでも売られているそうです)
この呪詛信仰の発祥は室町時代の謡曲の「鉄輪」と言う話らしいのですが、鎌倉時代後期に書かれた物語で「宇治の橋姫」が京都の貴船神社で呪詛を行ったと言う話( 祈願し鬼となった橋姫の腕を渡辺綱が切り落とし、安倍晴明が封印した)があり、それ以来広まっていったものだそうで、その装束や小物類は江戸期には定着されたそうです。
烏(からす)天狗は山伏の装束を着けた妖怪で、貴船神社の隣の鞍馬山で牛若丸に剣術を教えた話が有名です。
元はインドの神話にある人身鳥頭で龍を捕食すると言われるの迦楼羅(カルラ)神が仏教に取り込まれて仏法の守護神となったものとの説があるそうです(迦楼羅は不動明王の光背の火炎の中に描かれることもあります)。
呪詛は「もしも人に見られた場合にはその人を殺さねば、自分に向けて返ってくる、間違えると危険な行為」とも信じられていたそうで恐ろしい事だったのです。
この不可解な画の意味ですが、そんな状況を描いたものなのかも知れないと思えて来ませんか。
※現在日本の国の法律では、「呪詛と言う手段で人を殺傷することは不可能なので、『呪詛』自体は違法にはならない」と言う解釈がなされているのだそうです。
冷静に考えてみれば当然のことなのでしょうが、何となく納得しきれません。
人騒がせな行為なので、自治体の「迷惑条例」等で取り締まられても不思議はなさそうに・・・
参考ですが、北斎版画でも似たような画像を見つけましたので
江戸後期頃の作かと思われます。
(落款の署名は應流、印章は朝親と読めますが不詳)
「丑の刻参り」といえば、憎しみ恨む相手に見立てた人形を真夜 他人に隠れて、神社の神木に鉄釘で打ち付ける呪いの儀式として有名です。(最近では小物類が「丑の刻参りセット」としてネットでも売られているそうです)
この呪詛信仰の発祥は室町時代の謡曲の「鉄輪」と言う話らしいのですが、鎌倉時代後期に書かれた物語で「宇治の橋姫」が京都の貴船神社で呪詛を行ったと言う話( 祈願し鬼となった橋姫の腕を渡辺綱が切り落とし、安倍晴明が封印した)があり、それ以来広まっていったものだそうで、その装束や小物類は江戸期には定着されたそうです。
烏(からす)天狗は山伏の装束を着けた妖怪で、貴船神社の隣の鞍馬山で牛若丸に剣術を教えた話が有名です。
元はインドの神話にある人身鳥頭で龍を捕食すると言われるの迦楼羅(カルラ)神が仏教に取り込まれて仏法の守護神となったものとの説があるそうです(迦楼羅は不動明王の光背の火炎の中に描かれることもあります)。
呪詛は「もしも人に見られた場合にはその人を殺さねば、自分に向けて返ってくる、間違えると危険な行為」とも信じられていたそうで恐ろしい事だったのです。
この不可解な画の意味ですが、そんな状況を描いたものなのかも知れないと思えて来ませんか。
※現在日本の国の法律では、「呪詛と言う手段で人を殺傷することは不可能なので、『呪詛』自体は違法にはならない」と言う解釈がなされているのだそうです。
冷静に考えてみれば当然のことなのでしょうが、何となく納得しきれません。
人騒がせな行為なので、自治体の「迷惑条例」等で取り締まられても不思議はなさそうに・・・
参考ですが、北斎版画でも似たような画像を見つけましたので
by Ru_p
| 2012-10-09 13:53
| アート・コレクション
|
Comments(0)
妄想猫の気まぐれ記(ジユウビョウドウ)
by Ru_p
最新の記事
即ち、席画? (芦雪ならば) |
at 2023-12-12 12:46 |
雪でも楽しい (芦雪の子犬) |
at 2023-12-01 12:31 |
「半跏思惟」かな? (芦雪) |
at 2023-06-10 07:00 |
河豚(フグ)≒ 福(ふく) .. |
at 2023-06-02 19:07 |
MY ・・・ (芦雪) |
at 2023-04-21 11:42 |
アウトドアを楽しむ (芦雪) |
at 2023-04-19 11:16 |
迷路から戻れて、(都路 華香) |
at 2023-04-04 12:31 |
火星人襲来? (芦雪) |
at 2023-01-12 13:02 |
虎も、猫並み(その2) |
at 2022-07-15 19:05 |
龍に睨まれる (芦雪) |
at 2022-06-01 13:08 |
招かれた鬼?(芦雪) |
at 2022-05-10 09:50 |
犬の気持ち (芦雪) |
at 2022-03-18 11:52 |
卓文君? 未完成? |
at 2021-11-20 21:52 |
不敵な眼光 (芦雪) |
at 2021-09-26 13:38 |
子供好き (芦雪) |
at 2021-08-26 15:38 |
名は、かけた? (芦雪) |
at 2021-06-03 19:48 |
描描鹿鹿 (芦雪) |
at 2021-06-03 19:29 |
シャカリキでの修行? (芦雪) |
at 2021-06-03 19:03 |
アニメ風 (芦雪) |
at 2021-05-09 12:47 |
春の宴 (芦雪) |
at 2021-01-01 15:11 |
記事ランキング
タグ
長沢芦雪(長澤蘆雪)(60)美人画(28)
肉筆浮世絵(27)
禅画(16)
杭州寒蘭(15)
開花(14)
仏画(14)
写生画(14)
良寛(11)
和歌(10)
円山応挙(10)
漢詩(8)
月夜(8)
邱北蘭・紫秀蘭(8)
大田垣 (太田垣) 蓮月(7)
葛飾北斎(7)
虎(7)
妖怪(6)
ウチョウラン 羽蝶蘭(6)
仙厓義梵(6)
龍 龍虎図(6)
観音菩薩(6)
牛図(5)
桜新町(5)
サザエさん(5)
アニメ 漫画(5)
波平さん(5)
酒宴(5)
与謝蕪村(5)
桜 さくら(5)
自画賛(5)
木村蒹葭堂(5)
寧々(4)
落款(4)
カラス(4)
白隠慧鶴(4)
猫(4)
清貧(4)
襲名問題(3)
中国春蘭(3)
抽象絵画(3)
鳥居派(3)
古今集(3)
俳画(3)
梅(3)
紅葉(3)
鬼(3)
猿(3)
縁起物・吉祥(3)
不動明王(3)
富士山(3)
正月(3)
サツマチドリ 薩摩千鳥(3)
仔犬(3)
挿絵・装幀画家(3)
七福神(3)
谷文晁(3)
化け狐(妖狐)(2)
弁財天(2)
山水画(2)
寛政の改革(2)
文房四宝(2)
鶏(2)
文殊菩薩(2)
表装(2)
迦楼羅(2)
獅子(2)
雀(2)
里山(2)
左義長(2)
紀貫之(2)
カントウタンポポ(2)
羽箒(2)
鶴・亀(2)
原種(2)
自生地(2)
蛙(2)
鳥文齋栄之(2)
邱北寒蘭(2)
釈迦 仏陀(2)
井上有一(2)
石仏(2)
カタツムリ 蝸牛(2)
前衛的「書」(2)
神様(1)
水源(1)
水着(1)
水墨画(1)
世齋(1)
清時代 仕女図(1)
西行法師(1)
静御前(1)
席画(即興の画)(1)
石渡いくよ(1)
折紙(1)
扇面(1)
素心(1)
鼠 ねずみ ネズミ(1)
双頭花(1)
相撲(1)
以前の記事
2023年 12月2023年 06月
2023年 04月
2023年 01月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 03月
2021年 11月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 04月
2020年 02月
2019年 11月
2019年 09月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 02月
2018年 12月
2018年 10月
2018年 08月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 03月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 01月
2013年 10月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
ブログジャンル
カテゴリ
東洋蘭にゃんこ
アート・コレクション
その他