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謎の丑の刻参り

烏天狗が呪詛に向かう女性に襲い掛かる大胆な構図の肉筆画 08062 28.2×98
謎の丑の刻参り_e0259194_14133396.jpg

江戸後期頃の作かと思われます。
(落款の署名は應流、印章は朝親と読めますが不詳)



謎の丑の刻参り_e0259194_13122331.jpg「丑の刻参り」といえば、憎しみ恨む相手に見立てた人形を真夜 他人に隠れて、神社の神木に鉄釘で打ち付ける呪いの儀式として有名です。(最近では小物類が「丑の刻参りセット」としてネットでも売られているそうです)

この呪詛信仰の発祥は室町時代の謡曲の「鉄輪」と言う話らしいのですが、鎌倉時代後期に書かれた物語で「宇治の橋姫」が京都の貴船神社で呪詛を行ったと言う話( 祈願し鬼となった橋姫の腕を渡辺綱が切り落とし、安倍晴明が封印した)があり、それ以来広まっていったものだそうで、その装束や小物類は江戸期には定着されたそうです。

烏(からす)天狗は山伏の装束を着けた妖怪で、貴船神社の隣の鞍馬山で牛若丸に剣術を教えた話が有名です。
元はインドの神話にある人身鳥頭で龍を捕食すると言われるの迦楼羅(カルラ)神が仏教に取り込まれて仏法の守護神となったものとの説があるそうです(迦楼羅は不動明王の光背の火炎の中に描かれることもあります)。

呪詛は「もしも人に見られた場合にはその人を殺さねば、自分に向けて返ってくる、間違えると危険な行為」とも信じられていたそうで恐ろしい事だったのです。

この不可解な画の意味ですが、そんな状況を描いたものなのかも知れないと思えて来ませんか。





※現在日本の国の法律では、「呪詛と言う手段で人を殺傷することは不可能なので、『呪詛』自体は違法にはならない」と言う解釈がなされているのだそうです。
冷静に考えてみれば当然のことなのでしょうが、何となく納得しきれません。
人騒がせな行為なので、自治体の「迷惑条例」等で取り締まられても不思議はなさそうに・・・








参考ですが、北斎版画でも似たような画像を見つけましたので
謎の丑の刻参り_e0259194_205409.jpg













by Ru_p | 2012-10-09 13:53 | アート・コレクション | Comments(0)


妄想猫の気まぐれ記(ジユウビョウドウ)


by Ru_p

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