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芦雪の美人画

 「楊貴妃図」    06046   56X122
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天明2年に円山応挙が描いたとされる「楊貴妃図」とほぼ同じ構図・構成(芦雪の「楚蓮香図」や、「呉美人図」を左右反転した図とも似た構図)ですし、実に上品で美しい顔です。

一説に、芦雪は三度も師の応挙に破門されたことが有ったそうです。
いたずら好きだった芦雪が自分の描いた美人画を師の応挙が描いた手本とを差し替えてしまい、気付かなかった応挙が自身の与えた手本の方に自ら手直しを加えてしまったのだそうで、その後、芦雪が自分の描いた画の方を見せると、応挙から褒められたのだそうです。芦雪は得意になってその事を周囲に自慢したのだそうですが、後にそれが応挙の耳に入り破門されてしまった。

と言う逸話が有り、いかにも有りそうな話ですが真偽は不明です。(三度も破門されたのなら、三度も許されたと言う事なので、師に大変に可愛がられていたと言う事になりそうです)

応挙は、写生画は得意でしたが、美女の画は必ずしもそうとも言いきれなかった(表情豊かで魅力的な美人画の現存が意外に少ない)ような気がします。その面で芦雪の技量が幾らか勝っていたとしても必ずしも不思議ではない気がします。

世界三大美女のひとりとされ、誰もが目にしてみたいと思ったに違いない楊貴妃;本名は楊玉環、西暦745年26歳の時に、中国・唐の玄宗皇帝の妃となり、国を傾けるほどの美貌だったと伝わっています。そんな絶世の美女は写生の対象ではあり得なかった訳ですが、人や動物をとことん愛する才能に長けた芦雪ならばこそ、常に冷静な目だった応挙には見えない何かが見えていたのかもしれません。
当然師の手本から何かを写し取って完成させたと思われ、例の「破門」の原因となったその美人画を基に、この画が描かれた可能性も十分に・・・・・・・・そんな空想をするのも、夢の有る楽しみ方だと思います。

楊貴妃の後ろの樹が中国原産の海棠だとすると、時季的には数週間過ぎてしまった様ですが、春の心地良い空気が感じられる大好きな画です。





長沢芦雪 筆「楊貴妃図」(蘆雪写意)の顔部分
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※楊貴妃の体型は一説に、 身長164cm 体重69kg のポッチャリ系だったそうで、
「長恨歌」(白居易)には「雲鬢花顔金歩揺」とも形容されているそうです。












【参考1】 円山応挙 筆「楊貴妃図」(天明二年)
          (NHK「知るをたのしむ」放送画面より「個人蔵」)
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【参考2】 長沢芦雪 筆「呉美人図」(東京国立博物館より)

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【参考3】 長澤蘆雪 筆「楚蓮香図」(「個人蔵」府中市美術館画集より)
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by Ru_p | 2012-05-31 16:24 | アート・コレクション | Comments(0)


妄想猫の起末具連記


by Ru_p

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